災害に遭いにくい賃貸物件の探し方

2019-11-22

長野県 千曲川 河川敷の台風19号での氾濫跡

[対策:土砂崩れ] 山の近くは避ける

山の斜面や山のふもとなど、土砂崩れが起きそうな場所は避けます。

斜面であっても、周りに山や崖などの広範囲の盛土がない高台などは安全な場所といえます。(周り:数百〜1kmくらいの距離は見た方がいいです。傍目には遠いなと思っても、自然の力ではなんてことない距離だったりします)

昔は小山があった地区でも開発されしきっていて、地盤もコンクリートで固められ充分に舗装されているところもあります。都会の中心でもこういうところはあり、見晴らしがよく安全面も心配ないので家賃が高めの物件があったりします。

[対策:洪水・水害] 海や川の近くは避ける

気持ちの良い潮風が吹く海の近くは癒やされますし、大きな川が家の近くにあると景観は開けて気持ちがよいですよね。河川敷まで散歩にも行きやすく、休日のリラックスタイムを過ごすのにピッタリです。

しかしこういった物件は、雨量の多い台風や高い津波が襲ってきた際、真っ先に洪水に見舞われます。河川敷に沿うように建っている家は沢山ありますが危険なことは言うまでもありません。

地図を広げてみて物件の近くに河があるのであれば、物件の標高は河より低いのか、河からどれくらいの距離か、河と物件との間に遮るものはあるのか等を調べておきましょう。河の近くは「海抜ゼロメートル地帯」ということもあります。

海抜ゼロメートル地帯(かいばつゼロメートルちたい)とは、海岸付近で地表標高が満潮時の平均海水面よりも低い土地のこと。

水害に遭いやすいうえに、いったん浸水・冠水すると自然には水が引き難い。

低地であっても海抜が数メートルの場合は1日も経たずに浸水被害は解消する。一方で海抜が海より低い場合は自然排水が望めず、堤防が破壊されている場合はその修復まで水が流入し続けることになるため、浸水が2週間以上継続することも想定される

東京都23区の湾岸部や東部の江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区等のうち荒川両岸地域(概ね中川、新中川以西であって大横川以東の地域)に海抜ゼロメートル地帯が広がっている。この地域には、およそ150万人もの人々が暮らしている。更には北に隣接した足立区南東部、東に隣接した千葉県浦安市西部にも海抜ゼロメートル以下の地域がある。特に江東区、墨田区及び江戸川区には干潮時の海水面よりも低い地域がある。加えて、神奈川県川崎市川崎区にも海抜ゼロメートル以下の地域がある。

以上のように、海抜ゼロメートル地帯は海水面より低いため、堤防が決壊した場合は浸水が2週間以上続くことがあります。

2019年10月に襲来した台風19号による武蔵小杉の浸水や千曲川の氾濫は、まさに河と隣接する地区で起きた災害でした。東京の東に流れる荒川に隣接する江戸川区(家賃が都内では安いのですが海抜ゼロメートル地帯が非常に多い)なども冷や冷やしていたでしょう。

例え河の正面でも、4階以上などの階層の高い部屋に住んで入れば、直接の浸水災害に見舞われる危険度は下げられます。上層階になるほど部屋の家賃はあがりますが、景観だけでなくこういった安全面の理由もあるのです。

[対策:地震]

地震は、他の災害に比べて予想が難しくなります

活断層などの情報はありますが、地中で直接目に見えるものではないですし、台風や雨風のように天気予報がありません。地震予知などのテクノロジーも充実しているとはいえません。

近年、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの話題が多く騒がれています。最も新しい大きな地震は2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災(通称3.11)です。「次は関東圏に間違いない」という予測が目立ちますが日本は国土が狭くどこに大地震が来てもおかしくないわけです。

ここは視点を変えて「地震が起こることは避けられないと考え、大きな地震が起こった際に避難しやすいか、生活に支障が起きにくい対策がされているか」を見ていくとよいでしょう。

耐震設備をみる

物件情報を読み込み、1981年(昭和56)6月1日年以降に建てられたものであれば、おおよそ新耐震基準を満たしているといえます。新耐震基準に対応した物件とは、震度6〜7の揺れでも倒壊しないような構造をもつ物件のことです。(旧耐震基準は震度5までの想定です)

ただ新基準に準拠した物件であっても、築年数が20〜30年以上の場合、竣工後にきちんとメンテナンスが行われているかも見ておいた方がいいかも。また古い物件であっても、独自に耐震補強を施している場合もあります。

素人目の目視だけでは判断が難しいかもしれませんが、建物の外装に大きなヒビが入っていないかを見ておきましょう。

ハザードマップを見る

防災が声高に叫ばれるようになっていますので、ハザードマップについてはご存知の方が多いでしょう。
自治体の役場で転入届を提出した際に、無料で手渡されることもあります。

国土交通省が公開しているハザードマップポータルサイトがあります。こちらで物件の市町村までの住所を入力するだけで、洪水・土砂災害・津波などのリスク情報を地図で直感的に知ることができます。

もしこちらで洪水の可能性がある地域と分かっても、すぐにダメと決めつけないで。河川からの距離や当該地域で起こった過去の災害などを調べてみることでも、リスクの程度を推し量ることができます。河川の正面だと危険なのは言うまでもありませんが、距離があればリスクはかなり下がります。

住宅設備を見る

避難はしごのパネル

山の近くを離れ、河や海にも近すぎず、新耐震基準を満たしている、良さそうな物件を見つけたとします。そして高層階なので、仮に洪水が来たとしても直接の浸水は受けない。

直接被災しなくても、そこで生活していくにあたっての支障が起きにくいかを見ておくべきです。

高層階で、さらにタワーマンションなどになると、毎日の外出はエレベーターを使うことになるでしょう。災害が発生すると停電・断水などが起こりえます。マンションに予備発電機があっても1階であれば洪水で使えなくなります。またマンションが無事でも、風でどこかの電線が破損したり、発電所そのものが被災することも考えられます。

つまり今のインフラ・ライフラインが使えなくなった時に、影響が少ない施設であるかを見ておかなくてはなりません。

オススメは低層マンションの上層階

以上を踏まえ私が推奨する物件は、低層マンションの3〜4階です。

低層マンションはエレベーターが止まっても、階段で出入りできます。また1〜2階に比べ日当たりがよいことが多く、洪水や土砂災害の被害も受けにくい階層といえます。逆に3〜4階より高くなると、仮に階段しかない建物は毎日の行き来が大変だと想像できます。災害面のデメリットは低層階に比べると、火災の際は若干逃げにくく、地震は低層より揺れやすいくらいでしょうか。

もし河川の正面などの物件に住むとなったら、避難経路の十全な確保や訓練に努めて、被災しないために出来るだけのことはやっておきましょう。

もしもに備えて備蓄はしておきましょう