コンデジはスマホの操作性・UIをもっと参考にすべき

2019-10-07

手軽に綺麗な写真が撮れるスマートフォンが増え、スマホのカメラの高画質化も進み、コンパクトデジタルカメラの売上が減っているようです。

ただ私は、カメラ専用機としてのコンデジの分はまだあると考えています。

コンデジのハイエンド機種

ハイエンドスマホがいくら複数のレンズを並べたとはいっても、その描写力を決定するレンズのサイズは大きくコンデジに劣ります。スマホはAIなどのソフトウェアを強化し、出力する画の補正に磨きをかけているわけです。

コンデジは一刻も早く不要なものは削ぎ落とし、そのレンズの大きさを最大限活かせるUIに作り変えるべきだと考えます。

コンデジが致命的なのは操作性・UI(ユーザーインターフェイス)

コンデジの外観を見ると、タッチパネルを搭載しているといっても、その多くは一眼レフを一回り小さくしたような感じとなっています。特にハイエンドコンデジにその傾向が強いです。

カメラのモニタ・操作パネル

私が思うコンデジのダメなUIは、大きく次の4点です。

  • 操作する場所が多すぎる。
  • 操作方法はメーカーごとに違う。機種によっても違う。買い替えれば1から。覚えることが多い。
  • タッチパネルはあるが、階層が深すぎる。スマホより複雑。
  • カメラを撮るときしか使わないから、習熟が遅い。

つまり、スマホより操作が難しいのに買い換えるとまた1から覚えないといけないことです。

ダイヤル式のシャッタースピードやISO感度の調節。
こういったアナログ式の操作方法のデメリットは、機種によって異なるということであり、説明書をしっかり読み込まないことには分からず、知識や習熟度に左右されます。カメラを動かしているソフトウェアも独自のもの。そして他のカメラに買い替えた途端、この知識は使えなくなります。

一方、スマートフォンの操作は、ほぼタッチパネルのみ。
操作方法においても、OSやバージョンによって違いはあれど、特にiPhoneに関しては大きく変わることはありません。使う前に説明書を読む人はいるでしょうか? スマートフォンのカメラは、直感的に撮ることに特化しています。またスマホの強みはカメラのUIを変えられることでもあります。より高度な機能を使いたければ、有料のカメラアプリなど選び放題です。

スマホより触る機会が少ないコンデジは、スマホより慣れるのに時間がかかるため、むしろスマホより操作を簡単にするくらいにUIを設計しなくてはなりません。コンデジは専用機なので撮影するときしか使いませんが、スマホは1日中触っています。操作に慣れるのにどちらが早いのかは明白です。

ダイヤルなどの操作箇所が沢山あるということは、操作に迷うということでもあります。いっそ、操作箇所はスマホと同じようにタッチパネルのみにし、他は切り捨てたらどうでしょうか。


次のブログでも、コンデジのUIについて言及されていました。

[参考] コンパクトカメラを購入するユーザーは、スマートフォンのような撮影の手軽さを求めて購入する訳ですが、煩雑なメニューのUIを体験すると、カメラを持ち出さなくなります。使い方がわからず、スマートフォンでも事足りることに気がつくからです

手順が多いコンデジとスマホとの連携

コンデジに搭載されている WiFi & Bluetooth でのスマホ連携機能は、手順が思いのほか多いです。

具体的には次のような感じ。
※Canon PowerShot G9X Mark IIより

  1. アナログの「MENUボタン」を押す
  2. 「無線通信の設定」を選ぶ
  3. 「Bluetooth設定」を選ぶ
  4. 「Bluetooth」を「入」にする
  5. 「ペアリング」を選ぶ(ここでカメラはペアリング待ち状態)
  6. スマホでBluetoothをオンにし「専用アプリ」を起動(ペアリング完了)
  7. 専用アプリで、カメラからスマホに取り込みたい写真を選ぶ

ペアリングするまでの手順が多いのですが、この「1〜5」まではBluetoothのON/OFFボタン1つくらいの操作で済ませるべきです。たとえばBluetoothのイヤホンであれば、イヤホンの電源をONにすれば以前接続したスマホに即接続されます。頻繁に接続をくりかえしても気にならないくらいスムーズにできなくてはならないので、ここはBluetoothのアナログON/OFFボタンを用意してもいいでしょう。それくらい、スマホとのネットワーク接続の簡潔さは重要なのです。

カメラ側の写真をスマホに一発同期する方法がないのも気になります。カメラとスマホの容量が大きく異ることもあるでしょうから、写真を選択できる機能は必要ですが、「Bluetoothで接続して、スマホのアプリを起動した時点で、カメラ側の写真がスマホに自動で同期される」機能は必須だと考えます。

接続するだけでも手間なのに、そこから写真を一つ一つ選ぶとなったら、スマホカメラの手軽さに慣れきった多くのユーザは辟易するでしょう。

画面の大きさや綺麗さはスマホに劣る

タッチパネルにおいて、操作のしやすさを分けるのは何でしょうか?
画面設計やメニュー階層の深さなども当然あると思いますが、一番は「画面の大きさ」だと考えます。

iPhone(スマホ)は片手で撮れ大画面

コンデジに多いのは、軽量・持ち運びを重視した故に、画面が小さくなってしまっています。また、スマホの画面は有機ELなどの機種もあり非常に高精細になっていますが、コンデジの画面は確認程度にしか使えません。撮ったものが画面上できちんと見れないということは、撮影枚数が無駄に増えてしまいます。

独自クラウドもいいが、大手クラウドとの同期を密にすべき

コンデジは、ネットやスマホとの連携を売りにし、スマートフォンにBluetoothで写真を送ったり、独自クラウドに写真を同期できるように利便性の強化を図っています。

これらを用意するのも良いですが、Google フォトや Amazon Photos への同期をできるようにした方が、ユーザーへのメリットがあるように思えます。

簡単に撮れる、簡単に同期できることがニーズ

スマートフォンのカメラで充分と考える人が多いのは、進む高画質化もありますが、その「簡単さ」こそだと考えます。

「こんな簡単にスマートフォンより綺麗な写真が撮れて、写真の後処理も楽なのか」とユーザに思ってもらえれば、まだコンデジの伸びる余地はあると思います。

今まで様々なアプローチはなされたが、実験機止まり

Android 搭載コンデジ

こういった私のような1ユーザーが抱える思いに近いことを考える人はもちろんおり、日本のカメラメーカーからも意欲的な機種を発売してきた歴史はあります。

スマートフォンのカメラを強化するガジェット

スマートフォンにレンズ型のデバイスを取り付けるアプローチもありました。

iPhoneの端子に繋げるカメラ「DxO One」。

Bluetoothでスマホに繋げるレンズスタイルカメラ「SONY Cybershot QX10」。

私が考える理想のスマートデジカメ

  • アナログのボタンは電源ON/OFFのみ。(増やしてもWIFIや同期のボタンくらい)
  • 操作は全てタッチパネル。
  • 画面は大きく。5インチ以上、大きいほど撮りやすい。
  • 説明書なし。読まなくても撮れること。(高機能を求めるユーザにはプロモード等を用意)
  • ファインダー不要。
  • レンズはコンデジサイズ。
  • スマホとの接続操作は簡潔。
  • Google フォト、Amazon Photos とのスムーズな同期。
  • ファームウェアアップデートによりセキュリティも安心。
  • 外観は大画面スマホにコンデジのレンズをくっつけただけ? レンズの駆動部がある分、スマホより分厚くなりバッテリー消費は増えるか?
  • タッチパネルUIはスマホの有料カメラアプリなどが参考になりそう

日本のカメラメーカーは、カメラオタク向けに作りすぎます。デジタルカメラのラインナップは、従来のカメラの外観・操作方法を備えた一眼レフ・ミラーレス、スマートフォン並に操作を簡便にしたコンデジ、この2つに絞り込んだ方が良いのではと感じています。

気になるのは日本のカメラメーカーの財政事情。ユーザーのニーズに適応する前にカメラ専用機の市場が縮小してしまい(カメラを使うユーザの多くがスマホに行ってしまった)挑戦的な製品を打ち出すパワーが不足し、ジリ貧になっているのかもしれません。

もしかすると理想のコンデジを生み出してくれるのは、歴史あるカメラメーカーではなく、ベンチャーや隆盛するスマートフォンを生み出すIT企業なのかも。